水道橋博士 小中学生の頃から『ユダヤの商法』を読む、過剰な読書遍歴
Q11.水道橋博士にとって“本”の魅力とは?
■カミさんの読書はセクシーだ、ダンカンさん、タカさんの読書は粋だ!
カミさんも読書家なんですけど、一年間でひとりだけ読む作家を決めると、その人だけを集中的に全部読むんです。例えば、三島由紀夫とか全作品を一年かけてコツコツ全部読み尽くす。次の年は筒井康隆、次の年は桐野夏生とか……。オレは他人が本を読んでいる姿がすごくセクシーに見えるんです。本を読んでいる事で心が奪われ、没我で違う世界に行っちゃってる姿、オレはそういう姿のフェチなんです。
先輩のダンカンさんも非常に読書家なんですけど、オレが付き人だった頃、書店に行って、事前に本の書評とか評判を全く気にしてなく、自分の感覚で背表紙の題名だけでポンポンポンと選んで買うんですよ。ハヤカワのミステリーとか創元推理文庫とか、それをジーパンのポケットに入れて、空き時間になると読んでるんですよ。それが、もうすっげぇカッコイイんですよね!
ガダルカナル・タカさんも凄いんだよな。たとえばロケバスの中に『セニョール・パ』の7巻だけが読み捨てられてたりすることってあるじゃないですか。オレだったら最初から…1巻からじゃないと読み始められないんです。それまでの設定とか筋とかが理解できていない状態で読む事なんてできないんですから。
でも、タカさんはそんな中途半端なところからでも、読み始められちゃうんです。で、7巻だけ読み終えたら、読み終えたで、それで8巻以降を読むわけでもない(笑)ただの時間つぶしなんです。そういうのもカッコイイなあって思っちゃうんですよ。助走なくスッと物語に入って、射精もしないで、すぐに作品世界から出ていける。オレは絶対に真似ができないんですよ。
人それぞれ本の読み方は違いますけど、自分にはない読み方をしている人には惹かれますね。
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